2012/07/29

中国の経済成長率、大幅な落ち込みも

今年上半期の統計を見て思うことは、このまま推移すると、中国の2012年のGDP成長率は7%を下回る可能性すら出てきた。

改革開放以来、成長率が7%を下回った年は三度あるが、1991年以降は一度もない。

中国のGDPの伸びを支えてきたのは、工業生産、輸出、固定資産投資、消費である。いま、そのいずれもが、伸びが鈍化しているか前年比マイナスだ。とくに大企業の売り上げと利潤の低下ははなはだしい。

この流れはEU・アメリカの景気悪化から来ているので、容易に止められないが、対策は公共投資以外にない点が悩みである。しかし、公共投資とは一口で言っても、道路、港湾、空港、橋、公園・・・どこへ行っても過剰なくらい立派になった。投資乗数自体が低下しているので、効果も限られる。

そこで、出番は農業投資。灌漑、浄水場、トイレの水洗化などの水投資、土壌改良、農地基盤整備、農村住宅の近代化などなどである。農村はまだまだ、投資先として有望だ。

2012/07/19

日中韓FTA賛成、TPPに反対

日中韓FTAには賛成だけども、TPPには反対だという意見が多い。これは大きな矛盾なんですね。なぜなら、2010年の11月、横浜で開催されたAPEC。この会議で、加盟各国は「横浜ビジョン」を発表した。ポイントは、APECのFTAを作ろうというもので、日本は主催者として提起し、加盟すべての国が賛同したものだ。

 
 
  ASEAN+3(日中韓)もTPPも、最後にはAPECのFTA、つまりFTAAPに収れんすることに賛同したのだ。日中韓FTAには賛成だけれども、TPPには反対だというのは、だから矛盾することなのである。