2012/02/12

中国はバブルではない、、たんなる誤りの連鎖だ

中国の著名な経済学者には、中国経済は住宅バブルからソフトランディングしたとの見方が多いが、そもそも、それがバブル経済といえたかどうかというと、筆者の見方はかなり異なる。日本のバブルは、カラ需要が供給をせかせ価格高騰を招いたが、中国の場合まだまだ実体の供給は絶対的な不足状態である。たとえば、都市部には住宅を持たない農民工だけでも1億5千人いる。かりにかれらが都市に定住するとなれば、少なく見積もっても1億戸の住宅が必要である。では、バブルに見える現象はなんなのか?答えは、経済権力と政治権力の一体化にもとづく富の分配の極端な偏り、まちがった税政策、まちがった市場経済依存にある。
なによりも、長期的な視点から、経済権力を政治権力から引きはがす仕組みが必要で、引き続き、次期習政権最大の政策試練である。

2012/02/11

中国と日本の貿易収支、注目すべき最近の動き

中国の公式統計をみると、輸出と輸入が減少傾向にある。加工型輸出依存経済だから輸出が減れば輸入も減るのは当然のことである。あきらかに、EU経済の低迷を受けてのことだ。では、今後はどうなるか?答えはEU経済次第である。ではEU経済はどうなるか?ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルに加え、いくつかの国が影響を受けているので、全体の回復にはやや時間がかかる見通しだ。一方のアメリカ経済は一進一退で、中国にとっては年3000億ドルの黒字国だ。影響は大きい。やはり、回復にはしばらくかかりそうだ。こうみると、中国経済は曲がり角にきていることは間違いない。
日本の貿易収支は赤字に転じたが、傾向的には予想されたことである。所得収支は貿易収支の赤字を埋める巨大さはますます進むから、経常収支が赤字になることはない。しかも貿易収支自体も、間もなく好転する可能性が高い。あまり悲観することはない。