2018/12/02

中国農業と米中FTA

ブエノスアイレスでの米中首脳会談は新聞報道によると、中国側は、25%の輸入関税をかけ、事実上締め出していたアメリカ産大豆を含む農産物輸入を即刻増やすと言明したらしい。中国、アメリカ双方にとって、いいニュースだ。

これで、高騰していた中国国内の大豆価格、家畜の飼料として欠かせない豆粕価格も落ち着く方向に動くだろう。

とはいえ、中国の養豚農家などがこれまで受けた損害はのこったままだ。また、せっかく上がった大豆価格で一息ついていた中国の大豆農家や中間業者は、またまた産品の低価格とコストとのし烈な競争の波に戻っていくのだろう。せっかく増産機運が盛り上がり、十数%にまで低下した国内自給率の期待された反転も消え失せる。

大豆に限らず、多くの農産物が輸入されるとなると、このままでは、中国農業は敗北の道を行く可能性がますます高まろう。そこで重要なことは、農業の構造の改革―土地制度の自由化、土地と農民をセットにした農村戸籍制度廃止、農産物市場制度の改正などー根本的な見直しが必要となろう。長年、改革を先に先にと伸ばしてきたつけを払うときが見えてきた。

アメリカは、これからの交渉過程で、おそらく、米中FTAを念頭におくだろうから、中国の農業問題改はいよいよ大きく動き出すのではないか・・・・・。

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