2019/05/20

中国の農業分野+農産物物流の先端技術を調べてきたし、現場で体験もしてきた。中国は自身が公言しているように、いまはまだ先進国ではないが、確実に先進国に近づいている。この調査を通じて、その実感を肌で得るようになった。

この分野での特許件数も米に劣らぬスピードで増えつつあり、いつの日か、世界一になる可能性もある。

その背景に、溢れ出るほどの優秀な大量の研究者と現場の実践者がいる。最近、「996」が話題になっており、ちょっと調べたことがあるが、研究者の世界も大差なく仕事に没頭する生活が日常なのだ。そこには、「働き方改革」などという体の良い語句だけの世界さえみじんもない。

いま、専門用語満載の知産権局の資料をあさるようにながめては、アタマを重くさせているが、その申請件数の多さと内容、特許や実用新案権の授与内容にはとてもついて行けない。図や説明は、素人には同じように見えても、こまかいところがだいじなのだろう。

しかし肝心なことを無視・軽視してはいけない。先端技術にはその国の文化が基盤になっているという点、一見先端技術など高遠な次元と無関係にみえる土着技術にも進んだ、しっかりした技術が織り込まれているという点だ。

だいぶまえ、シュマッハーが唱えた「スモール イズ ビューティフル」には感銘を受けた者だが、いまはどこの企業のキャッチフレーズだか忘れたが「スモール バット ビューティフル」のように、「ビューティフル」だけに注目が集まる時代なのかも。

この具体的な様子は、科学技術振興機構(JST)中国総合研究・さくらサイエンスセンター(CRSC)の電子コラムに連載する予定だ。