2019/01/01

週刊朝日掲載記事


 12月25日発売の週刊朝日新年特別号に掲載された私の4ページものの記事は、けっこう反響がありました。28日のテレビ朝日グッドモーニングから電話取材を受け、顔写真とともに画面に紹介されました。
 輸入量の34%を依存するアメリカ産輸入大豆に中国が25%の関税をかけたあと、輸入は完全にストップ、大豆自給率が10数%の中国は「大豆ショック」に見舞われ、食卓から養豚業者までを巻き込む一大パニックとなったのです。
アメリカ産の中国大豆の流れは以下のように、日本の食卓へも影響を及ぼし、これから及ぼすでしょう。 
アメリカ産大豆→中国→大豆粕→国内養豚業者と日本の養豚業者(輸入)。
A中国の大豆価格上昇(約二倍へ)→大豆粕価格上昇(約二倍に)→養豚コスト割れ→経営撤退と縮小(繁殖豚数縮小)→(ピッグサイクル)→肥育豚数減少→国際豚肉価格上昇。
B(日本への影響)中国の大豆価格上昇(約二倍へ)→大豆粕価格上昇(約二倍に)→日本の大豆粕価格上昇→養豚経営の更なる減少→豚肉輸入増加+豚肉価格上昇。
        
    このような食品のグルローバル化と食品のデジタル化は、大豆に限ったことではありません。穀物、野菜、肉類、魚介類、果物にも起きている現象です。食料自給率の低い日本では、更に、大きな渦のように世界中から食品を巻き込みながら渦の中心(日本)に引き寄せているのです。中国も徐々に、このような渦に巻き込まれようとしています。その背景には、土地の疲弊、農薬・化学肥料依存、農業労賃上昇などによる生産コストの上昇=農業の国際競争力の低下の進行という問題があります。中国農業の問題を農業労賃の上昇にのみ求める見方もありますが、これは、視野狭窄というほかありません。