2024/03/19

中国農民の顔の表情

中国へ行きたい最も大きな理由は、むらむらのあぜ道や広い見晴らしの真っ平らな畑の側の道端をあるきたいがためである。

何があるわけでもないし、特別の違いがあるわけでもない。新潟のコメ作地帯の集落で生まれた身にとって、どこであっても、農村の光景は何処と無しに、故郷の香がする。

中国の農村はなお発展途上にあることも事実である。筆者の眼から、日本の農村との最大の違いは、区画整理が済んでいない田んぼがなお目立つこと、用排水路が未整備なこと、灌漑施設が不十分なためか、排水が十分でないことなどは、改善の余地があると映る。

都市近郊、たとえば河北省の都市近郊には中型のトラクターに乗った農民の姿を多く見かけるが、たとえば江西省の水田は区画整理が遅れ、しかも専業農家が限られるせいか、トラクターで作業中の農民を見かける機会も限られた。農業は日本の委託経営のようにひと任せだ。

しかし、どこの農民も、よく似た環境にあることを痛感する。素朴な顔をしていることも共通する気がする。土着的な風情が漂う。だから好きだ。

都市住民は、やはりどこの国だろうと似ている。顔は青白く、無症状で、どことなくカリカリしている風情だ。心の底に、一人ひとりがだれかの、何かの、代表のような自分を探しているからだろうか・・・・・・。

その点、何をも代表しない自分がそのまま顔に出ている素直さが農民にはある。