2016/11/08

中国農業大転換~安徽大学の国際シンポに参加して~

 この6日、安徽大学の世界農業・・・・というテーマのシンポジウムに招聘され、「中国農業大転換~日中農業比較の視点から~」という報告をした。  みなさん、興味があったらしく、報告を終えると、さっそく5名の方が私の周りを囲み、話した内容の確認やら自身のご意見やらを離してくれた。私の報告の概要は、中国農業が社会主義を捨て、小農的農業を残存させながらも太宗は資本主義的な農業に転換しつつあるということ、現在は制度的にない農地価格も地代の高水準化によって実質的に価格を持つようになり、その価格が工業用地と変わらないほどになっている地方もあること、などである。  一方、日本の農業は農地法を守らなければ農業そのものが崩壊するという強迫観念が蔓延しているため、変革は難しいことを紹介した。進んでいたと思っていた、日本農業の担い手の平均年齢が66歳であり、食料自給率がカロリーベースで40%であることなどは信じられないといった反応だった。  しかし、考えてみれば66歳でもできる農業技術があることにもなるし、けっして捨てたものではない。同時に、それが自給率を上げられない理由の一つかもしれない。こうした矛盾を抱え続ける日本農業の一方で、中国農業は急速に姿を換えつつある点に私は注目しており、春になったら、現場でより確かな状況を調べるつもりだ。