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2025/10/05

「高層ビル養豚」 が拡大中

 

高層養豚とは文字通り、10階建てのほどの高層ビルで行う養豚事業のことだ。2019年、農業農村部が政策化、急速な展開をみせはじめた、世界ではじめての養豚モデルだ。

 

この養豚事業モデルは、給餌、繁殖、肥育、屠畜、解体、部位分類、精肉、保管、出荷、残滓処理、糞尿処理まで、一貫していることだ。豚の立場に立つと、「揺り籠から墓場まで」、コンクリートのビルの中で生涯を送ることになる。

 

いま、中国各地で建設が進んでいる(写真:平台小王より)。

 

しかも、養豚ビル一棟で、年間で出荷する頭数は80万頭、生まれてから100㎏ほどで出荷するが、ここは効率出荷が標準化されているので回転率は年2.5回、だから常時、30万頭弱の飼養頭数となろう。

 

中国全国の年間平均の飼養頭数(2024年:国家


統計局)は4億2,742万頭、豚肉の出荷量は5700万トンと世界一である。

 

中国人にとって、回鍋肉や紅焼肉は、この料理を聞いただけでよだれが出てきそうな大好物。その食材が豚肉である。ほんとに、おいしい。

 

中国では、小規模の繁殖養豚と小規模の肥育豚農家が分離し、新型コロナが流行した2019年、多くの養豚農家が離農または崩壊した。国全体としてもコストが増加、国際協力が低下し、輸入の増加を招き続けた。

国として、豚肉の生産農家の減少と飼料確保の困難、したがってコスト増、疾病対策、畜産公害対策などが急務であり、その対応策として高層養豚が生まれたのである。

 

課題も多いが、別稿をお楽しみに。