中国は大規模農業経営の発展をめざして、奮闘中です。これには、5つの柱があります。
1,資本制企業がリードする。
2,AIスマート+大型機械化農業を展開する。
3,遺伝子組み換え農産物+ゲノム編集農産物を全面解禁する。
4,農業生産コストを下げる。
5,食料自給率を上げる。
1,中国農業のアキレス腱は規模が小さく、若者が減っているのが現状です。零細な経営規模を変えずに、労働集約的な農業が中心にしていたのでは、この先、食料の安定的確保はできないことに、政府は気づいています。そこで、頼りにするのが資本制農業です。もう、中国農業は社会主義の体面を気にしていてはどうにもならないことになっているのです。
すでに、各地で、資本制農業が浸透し、広がっています。これには中国鉄道集団など従来、農業には関心が薄かった異業種も参入し始めています。
2,スマート農業にはAIを組み込んだ完全自動化、GPSによる施肥・農薬散布、栽培管理・収穫予想などを進めています。これで農場の規模が大きいことが、さらにプラスになると見込んでいます。
3,遺伝子組み換えについて、拒否反応がまだ残っています。しかし、アメリカやブラジルから輸入する大豆や飼料はほとんどが遺伝子組み換え作物です。政府は、その事実を徐々に公開し、消費者の遺伝子組み換えアレルギーの希薄化を進めています。
あわせて、中国が得意なゲノム編集農産物が成長をしています。こちらについては、遺伝子組み換え農産物とはちがい安全なので、政府はなんの躊躇もありません。
コメ、トウモロコシ、大豆、小麦をはじめ、多くの農産物の遺伝子組み換えの生産をはじめ、商業化がすすめられ、昨年12月末、農業部が許可を出しました。
4,生産コストを下げることは、中国農業の喫緊の課題です。主要国でコストが高く、したがって国際競争力に劣る国の二番目が中国です。 一番目? もち、わが日本です。
いま中国農業は、旧い毛沢東型の何でもいい農家寄せ集め型農業から変貌しつつあるのです。まだまだ、改善すべきことは山ほどありそうですが、日本よりは早いスピードで近代化が進んでいます。ネックは、土地制度!!!! これもいずれは変わって行くでしょう。
5,中国の食料自給率は70%台に低下しています。国家発展改革委員会のある人も、そのくらいだと公言したようです。
わたしは、何もしなければ、これから、もっと低下すると見ています。遺伝子組み換えやゲノム編集食料に力を入れる理由は、ただひとつ、食料自給率をこれ以上下げない、できれば上げることにあります。