2011/07/11

中国の水と土

中国の農業研究を専門とする者にとって、いま最大の関心事は水と土だ。水には、地表水、地下水とあるが、とくに地下水は汚染と枯渇の問題が深刻だ。土は、長い間放置され、略奪農法が続いてきたため、疲弊し生命を失いかけている。地下水不足は洪水になるほど雨が降っても解消されない。地下水は何百年もかけてゆっくり貯まった水だから、洪水があっても水は地下まで浸透しない。地下水不足を解消するには、まず地下水のくみ上げをやめることに尽きる。汚染を解消することはさらに難しい。これは汚染水を流さない(長い年月をかけて、地下に浸透する)ことに尽きるが、そのためには工場排水規制の強化、生活排水の浄化がもっとも近道だ。中国の水問題は日本の水問題に重なる。日本もけっして安心はできない。土にも同じ原理が働く。広大な中国の農地を豊かにするには、莫大な経費と時間がかかる。有機質土壌を農地に入れ、あるいは有機質の土壌改良剤をまく。それには、さまざまな方法があり、場合によっては、そこにビジネスもあるであろう。
西安から銀川へ行く飛行機から撮影。このとき、杭州から銀川まで、大雪のため35時間のフライトでした。一日半の長旅。