2013/07/10

中国のシャドー・バンキングこそが表の金融市場

いま話題のシャドーバンキングについて一言。
なにか、コントロール可能のようなことが中国政府筋から聞こえてきます。金利自由化されないかぎり、シャドーバンキングが消えることはないでしょう。金融制度の市場化が実現されていない現状では、シャドーバンキングが本来の市場金融でありまして、人民銀行が管理しているいわば表のバンキングこそがシャドーなのです。

行きづまったのか?中国経済(1)

http://chuplus.jp/blog/list.php?category_id=225


行きづまった感も出てきた中国経済、これからが普通の経済大国になっていく転換期でしょうか。

2013/04/12

「週刊文春」、中国の食品安全問題に一石

週間文春今週号、2013年4月18日号

中国の食品安全問題とH7N9問題を特集しています。私も取材に応じ、問題を提起、かなり多くの行数を割いてくれています。

2013/02/08

ルイスの転換点の罠

「ルイスの転換点」をまことしやかに議論する人たちが居るんですね。

中国も工業化が進み、農村から労働力が工業部門に移り、農村には労働力が枯渇する、と同時に、賃金水準が平準化、つまり、工業労賃と農業労賃が一緒の水準になるんだとさ。

もし、それが現実に起きるなら、農民にとって、こんなに歓迎すべきことはない。余剰労働が消え、所得が上がるのだから。

 でも、実際は、市場経済の社会では、絶対にこういうことは起きない。市場経済のもっとも進んだ欧米、あるいは日本でも、こんなことはあり得ないし、現に起きていない。学者という者の中には、暇学問が好きなひとがかならず居るんですね。
陥りやすい「ルイスの転換点の罠」なんでしょう。

欧米、日本の農業部門と工業部門の賃金格差は、けっして中国をとやかく言えるほど小さいわけではないんです。

2013/02/07

専業農民の急減、農外収入依存高まる

中国の専業農民が急減している。年齢構成別にみると、20~30歳代は一ケタ%も農業現場には残っていない。農業をするのは50歳以上となってしまった。そのかげで、大豆も米も小麦も等も鱗氏も輸入増加が止まらない。

こうしたなか、統計的には、農民の所得の源泉構成が大きく変化している。農業所得は伸び悩み、増えるのは出稼ぎ、農外就労、仕送りだ。

ほんとうに皮肉なことだけど、そのためか、農民間の所得格差は少しずつ縮小しているのである。

むしろ、専業農民の経営が苦しい。これは日本も同じこと。コスト計算などに縁がない兼業農民が、市況と無関係に作る農作物が大量に市場に流れ込むために、農民の手取り価格はどんどん下がる。価格決定権はいまや兼業農民にあり、専業農民はたまったものではない。この点も、日本も同じこと。
中国では、このところ、農産物消費者価格が高騰しているが、農民には無縁だ。なぜか?川下の最後の1kmの業者が、その大部分を取っているからである。

2013/01/09

農産物価格急騰中の中国




中国(全国)の農産物卸売市場価格が図のように、今年に入って急騰の気配を強めています。
冬になると、農産物価格が上がることは例年のことですが、今年は、とくに激しいようです。

そのわけは、気温の低さからくる野菜などの出荷減、家畜飼料価格の上昇。とくに、豚肉、牛肉、羊肉の上昇が目立ちます。
野菜は、ビニールハウス栽培が普及しているので、生産が落ちることはあまりないとみていましたが、今年はやや特別のようです。

今年の春雪は2月10日ですが、これから一気に上げ足を強める可能性が大でしょう。