世界には1,600種のネズミがいるという。ネズミと言っても「いえネズミ」、「野ネズミ」、「草原ネズミ」など、生態によって異なる。ただ、雑食だが、どちらかというと穀物や植物の根や茎など、それぞれ好みがある点でも共通する。
写真は青海省の三江源近くのネズミとその穴(筆者が、待つこと30分して撮影)。
世界には1,600種のネズミがいるという。ネズミと言っても「いえネズミ」、「野ネズミ」、「草原ネズミ」など、生態によって異なる。ただ、雑食だが、どちらかというと穀物や植物の根や茎など、それぞれ好みがある点でも共通する。
写真は青海省の三江源近くのネズミとその穴(筆者が、待つこと30分して撮影)。
前回、ここで紹介した中国高層養豚(繁殖から肥育までの一貫養豚経営)のつづきを書くことにした。関心のおありの方がけっこうおられることも分かった。
いま中国でみられる高層養豚は26階建て程度の高層ビルに、人間ではなく、豚が短い生涯を送る施設を作ろうという動きが始まり、各地で広がる動きを見せている、ということなのだ。中国人以外には、とても思いつく話しではないと思う。
今後、高層養豚が中国で安定的に拡大し、経営がうまく行くかどうか私には判らない。背景に養豚農家の減少、拠点集中養豚、糞尿・衛生管理・病気改善、コスト抑制などがあると思うが、これらの問題を解決できるのかどうか、課題も少なくないと見られるからである。
今回はこの視点に立って、高層養豚を検討してみよう。
まず、高層養豚は金食い虫、だという問題がある。高層ビル建設費、パイプ式糞尿処理施設(豚は特に排尿量が非常に多く、糞も泥状である)、糞尿が発するガスや気体などの被害対策、無菌室設計と建設、脱臭装置、水道光熱費、高層の飼料パイプ、解体と解体時の血液・糞尿処理、骨や歯その他残滓の送管や保管、解体後の固体管理・冷蔵冷凍倉庫、コンピューター管理装備、高層養豚専門飼育員養成・・・・・・・・数え上げたらきりがない。通常の養豚事業ではほとんどが無縁のものだ。
これらを合わせた建設資金やその他の事業資金がどのくらいに上るのか、いっさい明らかにされていない。総額40億元(600億円以上)・・・・という数字は聞こえてくるが。事業は地方政府の公的資金援助を受けていなければ、到底できないことである。
以上の問題はどれもこれも解決しようとすると難題で、高層養豚を始めたはいいが、いまのところは試行錯誤の段階、新たに生まれた課題も多く、まずは運転資金調達をどうするか、販路をどうするか、といった課題に直面している模様である。
筆者からみると、どれもこれも大変な問題なのだが、豚の棲む場所は無菌室なので、おそらくは換気も制限され、糞尿から出るアンモニア、硫化水素(下水管の腐植で日本でも問題になっている気体)、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、亜酸化窒素など有害物質の排出に制約があると予想される
これらの気体には、鉄やコンクリートを破壊するものも含まれ、巨額の費用を投じた建物や内部の設備の建設コスト増や寿命そのものに、悪影響を及ぼす恐れがある
さらには、いま流行りの動物倫理、いくら家畜とはいえ、人間本意の扱いをしてはいけないという風潮を軽視できない。
高層養豚を始めた背景の一つは、中国の養豚の国際競争力を向上させようとする意図だったことは否定できない。例えば養豚業のコストと深いかかわりのある豚肉(枝肉、冷蔵・冷凍)の生産者価格は、主要な世界の豚肉生産国と比べ格段に高いグラフがその実態を如実に表している。
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| 飼育場を移動する豚(「街溜」より) |
このような大きな差が生まれる最大の要因は、経営単体当たり飼養規模の違いである。中国には家庭養豚といって、繁殖メス豚を数匹飼って仔豚を売る者、30頭とか50頭とかの子豚を仕入れて120㎏程度まで肥育して、肉豚として出荷する者がまだまだ多数残っている。需要が国内供給を上回っているので、こうした低効率すなわち高コスト養豚農家が食べていける生産者価格を温存せざるを得ない事情がある。
高層養豚の始まりは、はこうした問題をなんとかするつもりでもあったかもしれないが、あまりにも極端な方法を思いついたものである。いかにも中国らしい、大は小を兼ねる式の発想におぼれ過ぎてはいまいか。
高層養豚とは文字通り、10階建てのほどの高層ビルで行う養豚事業のことだ。2019年、農業農村部が政策化、急速な展開をみせはじめた、世界ではじめての養豚モデルだ。
この養豚事業モデルは、給餌、繁殖、肥育、屠畜、解体、部位分類、精肉、保管、出荷、残滓処理、糞尿処理まで、一貫していることだ。豚の立場に立つと、「揺り籠から墓場まで」、コンクリートのビルの中で生涯を送ることになる。
いま、中国各地で建設が進んでいる(写真:平台小王より)。
しかも、養豚ビル一棟で、年間で出荷する頭数は80万頭、生まれてから100㎏ほどで出荷するが、ここは効率出荷が標準化されているので回転率は年2.5回、だから常時、30万頭弱の飼養頭数となろう。
中国全国の年間平均の飼養頭数(2024年:国家
中国人にとって、回鍋肉や紅焼肉は、この料理を聞いただけでよだれが出てきそうな大好物。その食材が豚肉である。ほんとに、おいしい。
中国では、小規模の繁殖養豚と小規模の肥育豚農家が分離し、新型コロナが流行した2019年、多くの養豚農家が離農または崩壊した。国全体としてもコストが増加、国際協力が低下し、輸入の増加を招き続けた。
国として、豚肉の生産農家の減少と飼料確保の困難、したがってコスト増、疾病対策、畜産公害対策などが急務であり、その対応策として高層養豚が生まれたのである。
課題も多いが、別稿をお楽しみに。
このコラムは、中国の農業気象を追いかけていますが、近年の中国には異常気象と思える現象が日常化しているようです。
今回は、そんな中国の驚くべきかどうかは分かりませんが異常気象について、中国の気象局が出している情報を参考にしながらお伝えします。
日本でも同じような異常気象が起きていますが、地球規模の現象の一環なのでしょうね。
2025年7月の災害、経済損失は半年分に匹敵
中国では2025年7月、洪水や地質災害が相次ぎ、延べ586万5千人が被災し、293人が死亡または行方不明となったそうです。住宅の被害は1万7,500棟の倒壊、11万5,100棟の損壊に及び、農作物の被害面積はなんと91万1,200ヘクタールに達しました。直接的な経済損失は445億元に上り、わずか1か月で上半期全体の被害に迫る規模となりました。
2025年上半期は、干ばつが深刻
2025年1~6月に発生した各種自然災害では、延べ2,503万7千人が被災し、307人が死亡または行方不明となりました。被災者数は前年同期(3,238万1千人)から約734万人減少しましたが、依然として大きな規模でした。
住宅被害は倒壊が2万9,600棟、損壊が34万7,200棟で、前年同期の倒壊2万3千棟、損壊27万9千棟を上回ったといからこわいことです。
農作物の被害面積は218万2,900ヘクタールで、前年同期の317万2,100ヘクタールからは減少しました。直接的な経済損失も541億1千万元と、前年同期の931億6千万元に比べて約4割減少しましたが、昨年の被害がいかに大きかったかを物語るものです。
一方で、干ばつ災害の影響は深刻でした。延べ1,083万6千人が被災し、116万人が生活救助を必要としました。農作物は99万2,700ヘクタールが被害を受け、さらに家畜約320万頭(羽)が飲み水不足に直面しました。経済損失は43億7千万元に上りました。
7月の洪水等災害で年間被害は拡大の見込み
2025年上半期は、被災者数や経済損失が前年同期より減少していましたが、7月の大規模な洪水・地質災害(地すべり、地震、鉄砲水など)が状況を大きく変えています。
死亡・行方不明者は1か月で293人にも達し、上半期の総数に匹敵しました。経済損失も445億元に上り、半年分の被害額に迫りました。7月の災害は、非常に大きかったということでしょう。
このため、2025年通年の自然災害による被害は、前年を上回る可能性が高いとみられています。特に農作物被害の拡大や農村地域での生活基盤の損壊が懸念されており、政府あげての復旧と支援の加速が望まれます。
今年の大雨前線は南北型
これまでの、天気は、ともかく雨が多い年となっています。下の降雨図は8月23日に、中国気象局が発表したものです。
この図では、南北に降雨帯がやや斜めの形で伸びています。この図では、いくらか降雨も治まっているように見えますが、いつもですと、もっと濃い茶色の降雨帯が南北を走っています。これから、中国では米、トウモロコシ、小麦の収穫が増えますが、影響が懸念されています。
7月19日、中国は三峡ダムの3倍の発電量、年間3千億キロワット時の水力発電ダムの着工式をおこなった。
チベット高原を流れる海抜が世界一高いヤルツァンポ川(中国名・雅魯蔵布江 Yarlung
Tsangpo:チベット高原を源流とし、最後はバングラディシュの河口からベンガル湾に注ぐ)の中流域に建設するもので、建設場所はチベット自治区の東の端に位置する。
完成は2030年を目指すとしている。
①4000~4500メートルと、海抜の高いこの地方一帯の慢性的な水不足への対応。因みに私の場合は4000メートルが限界、このあたりで病院に急行運搬していただいたことがある。持参した3本のおおきな酸素ボンベは、すぐにカラになった。
②慢性的な電力不足への対応(中国では、55基の原発が稼働、建設中24基。特に北方においてだが、山岳部では太陽光発電、平野部では風力発電が盛んに稼働しているが、なお不足している)。
③下流に位置するインド、バングラディシュ、とくにインドへの戦略的手段としての水の活用価値が大。
三峡ダムの長さは600キロメートルだから、新しいダムはその3倍、1800キロメートルにも達する可能性がある。完成後の下流地帯は、常に、流量の不足あるいは過剰に、慄く(おののく)ことであろう。
④中国にとっては、一種の巨大な公共投資、1.2兆元(24兆円)の建設費用は、投資乗数を3とすれば3.6兆元(72兆円)の経済効果を生むだろう。政府は、不況であえぐ中国経済の助け舟の一つとして位置づけているはずだ。
この巨大ダム建設をめぐっては、さまざまな懸念が指摘されている。ネットでサーチすると、まずはダム下流の位置するインドとバングラディシュからの既述の懸念、これは誰にも理解できよう。
次は環境NGOからの、環境への計り知れない影響発生という懸念だ。巨大なダム建設が、地球の地軸の傾きの変化や自転速度へ影響する、といった地学的なものから、気象への影響や、もしも決壊した場合に予想される途方もない洪水被害の発生不安などだ。
特に最近は中国全土で、降る雨の大きさがハンパでなくなっていることなどから、想定外のことが起こったら、いったい、誰が救ってくれるのか、誰が被害を補償してくれるのか、といった不安の声もあるという。
しかし、これらの不安や懸念に中国は一切耳をふさぎ、リスクをかえりみず、猪突猛進を繰り返す姿勢は、おおきな反発と不安を広げるだけではないのか。
日本では米の流通量が不足して、価格の高騰を招いていますが、世界最大の米の消費国家である中国はどんな様子なのでしょうか?
日本の米流通は、江戸時代から、船場や「相場」という言葉が米の取り引き(堂島米会所)が盛んだった大阪で生まれたことに象徴されるように、米は日本最古の市場取引物資だったのですね。全国の津々浦から米を吸い上げ、大阪に集めたのですか、その仕組みの複雑さと堅牢さは、他の商品にくらべ抜きん出ていました。
その基本的な仕組みは現代まで引き継がれ、それが柔軟さに欠ける要因にもなっているのではないでしょうか?日本の米流通は、昔の仕組みを引きずっているのかもしれません。
さて、中国ですが日本とまったく事情が異なって、米に歴史的な形と言うものがありません。旧い流通システムは、共産党が破壊してしまって、消費生協のような供銷合作社という名の商店のような組織を全国津々浦の消費地に配置して、国家統制的な流通を展開してきたのです。
しかし、これもいまや過去の話し。
米はO2O流通が主流に
中国人は、世界でもっとも新しもの好きといえると思うのですが、いまや、消費者が買う米はO2O、オンラインto オフライン 、スマホでECのプラットフォームに注文すると、30分以内に注文主の自宅に届く、という方法が都市の流行、流行というか、買い物の仕方として定着しているのです。
この30分、というのが勝負なのです。注文から30分以内に届けないと、この注文主から、次の注文はありません。
オンラインというのは、スマホで注文、オフラインというのは注文した米を現物で手にする、という意味で、O2Oの 2はtoすなわち両者をつなぐ、という意味ですね。
ただし、オフラインには二つのパターンがあります。
いまの例のように、30分という短い時間内に注文主に届ける、という方パターンと、注文主が注文した米をスーパーとか米やさんの実店舗に取りに行くというパターンです。
いまは、バイク便のような配達が人気です。
生産された米はどこへ行くのか?
農家が生産した米には、3つの流通ルートがあります。以下は、そのうちの2つについて焦点を当てましょう。残るもう1つは、政府備蓄米としての販売ですが、今回は捨象します。
●伝統的な多段階流通ルート
比較的小規模農家(中国の大部分がこれです)が「米販子」と呼ばれる米集荷人(ブローカーですね)が村単位で米を買い取ります。
米販子は、集荷した米を農民専業合作社(短粒種の一大産地となった五常大米合作社などは有名です)へ売り渡します。
その後、地域にある、けっこう広域的な産地卸売市場に集められ、精米工場へ回されます。米は、ここまでは玄米の状態です。
そして精米工場で精米され、等級化され、都市の消費卸売り市場(北京ですと、有名な新発地卸売市場が有名ですね。二三度行きましたが、ここは非常に大きい市場です。)へ回されます。
精米されていますから、消費はのんびりできません。しかし、このとき、スーパーや米の小売店に行くことがおおむね決まっていますから、問題はありません。
●ECルート
これには、少なくとも3つのパターンがあります。
(1)合作社ルート:
農家から農民専業合作社等に集荷されます。集荷された米(玄米)はひとまず、ここでストックされます。
消費地近郊の倉庫へ移動、適量を精米します。
次に、ECプラットフォーム(ウイチャット、抖音小店など)を経由して、注文が来ますと、出荷です。
(2)O2O生鮮ルート
農家から美団などの産地EC倉庫へ輸送します。
次いで、都市消費地の拠点倉庫へ。一定量を精米保管。
注文が来ると、30分以内に配達します。
(3)企業契約栽培ルート
企業が稲作農家と栽培の契約を結びます。
収穫後、米は、玄米のまま農家から消費地近郊倉庫に輸送され、そこで保管されます。
そこで、一定量の精米を確保し保管します。
京東などの予約サイト注文を受けて、米は注文主に配達されます。
消費者は、QRコードから、注文した米の生産者がどのような人で、どのように栽培されたかを知ることができます(トレーサビリティ)。
これらにさまざまなバリエーションが加わる、豊富なルートが形成されています。
ますます中国の米流通は合理化され、消費者サービスの向上がはかられつつあります。いったいどこまで、発展するのでしょうか?
わたしの中国農村あるきの体験で見たもの、食べたもの、触れたもの、嗅いだもの、訊いたものは数知れません。
わたしの中国フィールドワークのモットーは、「五感で臨む」、というもので、農村では、つねに、自身の身体に付随するこれらの「道具」を意識して臨んできました。
そのなかから、かなりザックリのはなしではありますが、このことは、どこの農村でも変わらない感触でした。
それは、
中国の農民は従順で素朴、貧しくとも生きる喜びや幸福のありかを探し求める人生を送っている、というものです。なかには、どこで身につけたか、権力者のまねのようなふるまいをさらす者にも会わなかったわけではありませんが、そういうひとはごく少数のように思います。
そのような農民の世界に土足で侵入する不束者、詐欺を生業とする者の横行が、農村には絶えません。中国でも日本をまねたオレオレ詐欺が世間を騒がせる時代、農村はかっこうの餌食として狙われているようです。
では、詐欺師たちは、どんなことをするのでしょうか?
つまりは、次の違法物資を売り付けたり、違法行為をして金銭を詐取しているのです。
農業経営に不可欠な農業生産資材が、とくに狙われやすい物資です。
●種をまいても芽が出ない種子、
●安全性基準や禁止物質を無視した農薬、
●ぜんぜん効き目のない化学肥料や有機肥料、
●工業規格が無視されたトラクター、耕運機、田植え機、
●家畜用医薬品の偽造。
また、これらも違法に横行しています。これらは詐欺という言葉には当てはまりませんが、社会に対する違法行為であることには変わりありません。
●安全基準を無視した遺伝子組み換え食品、農産物、
●未検査家畜等の移送(中国では、家畜移送が耳標のない大型家畜は禁止、予防接
種のない家畜飼養は禁止)と、移送中の違法薬物の使用や投与。
●無許可屠畜場と死亡家畜の放置。
●家畜飼養業者の違法薬物、たとえば「痩肉精」(家畜の成長促進剤)の販売。
2024年、これらの農村に蔓延する行為を取り締まるうごきが、「緑剣護糧安」法に向けた政府の取り組みです。
「緑剣護糧安」というのは新語です。
「緑」はグリーン、エコ、環境保全などの意味合い。
「剣」は、厳しく、緩むことなくなど、政策にこめた心意気。
「護」はあとにつづく「糧」(食糧)と「安」(安全)すなわち食糧安全を守る。
これらからわたしなりに繫げると、「緑剣護糧安」の意味は「食糧確保を守るためのグリーン政策を厳格に遂行する」というようなことといえるでしょう。
以上は、2024年2月に農業農村部が出した「「緑剣護糧安」法執行行動の実施に関する通知」とか、2025年3月の「2025年の「緑剣護糧安」法の執行に関する通知」などには、その詳細な取組みの趣旨と内容を見ることができます。
共産党と政府が一年間に取り組む重要な施策をまとめ、宣言する文書が中央一号文件です。
「文件」とは、平たく言えば「文書」あるいは「施策説明書」のような意味を持つ、中国独特の言葉です。
さて、今年の中央一号文件は2025年2月23日の公表でした。今年も「三農」問題が中心でした。18回党大会以降、13年連続のことです。いかに、中国にとって農業問題が厄介な課題であり続けているかを象徴するもの、と言ってよいのでしょう。
というのは、政府財政の余裕がなくなってきており、中央と地方政府の連携なしには、制約が大きいからです。地方財政は赤字構造にありますので、中央が期待するほどの政策ができないことも予想されます。
中国は大規模農業経営の発展をめざして、奮闘中です。これには、5つの柱があります。
1,資本制企業がリードする。
2,AIスマート+大型機械化農業を展開する。
3,遺伝子組み換え農産物+ゲノム編集農産物を全面解禁する。
4,農業生産コストを下げる。
5,食料自給率を上げる。
1,中国農業のアキレス腱は規模が小さく、若者が減っているのが現状です。零細な経営規模を変えずに、労働集約的な農業が中心にしていたのでは、この先、食料の安定的確保はできないことに、政府は気づいています。そこで、頼りにするのが資本制農業です。もう、中国農業は社会主義の体面を気にしていてはどうにもならないことになっているのです。
すでに、各地で、資本制農業が浸透し、広がっています。これには中国鉄道集団など従来、農業には関心が薄かった異業種も参入し始めています。
2,スマート農業にはAIを組み込んだ完全自動化、GPSによる施肥・農薬散布、栽培管理・収穫予想などを進めています。これで農場の規模が大きいことが、さらにプラスになると見込んでいます。
3,遺伝子組み換えについて、拒否反応がまだ残っています。しかし、アメリカやブラジルから輸入する大豆や飼料はほとんどが遺伝子組み換え作物です。政府は、その事実を徐々に公開し、消費者の遺伝子組み換えアレルギーの希薄化を進めています。
あわせて、中国が得意なゲノム編集農産物が成長をしています。こちらについては、遺伝子組み換え農産物とはちがい安全なので、政府はなんの躊躇もありません。
コメ、トウモロコシ、大豆、小麦をはじめ、多くの農産物の遺伝子組み換えの生産をはじめ、商業化がすすめられ、昨年12月末、農業部が許可を出しました。
4,生産コストを下げることは、中国農業の喫緊の課題です。主要国でコストが高く、したがって国際競争力に劣る国の二番目が中国です。 一番目? もち、わが日本です。
いま中国農業は、旧い毛沢東型の何でもいい農家寄せ集め型農業から変貌しつつあるのです。まだまだ、改善すべきことは山ほどありそうですが、日本よりは早いスピードで近代化が進んでいます。ネックは、土地制度!!!! これもいずれは変わって行くでしょう。
5,中国の食料自給率は70%台に低下しています。国家発展改革委員会のある人も、そのくらいだと公言したようです。
わたしは、何もしなければ、これから、もっと低下すると見ています。遺伝子組み換えやゲノム編集食料に力を入れる理由は、ただひとつ、食料自給率をこれ以上下げない、できれば上げることにあります。
先ごろ中国のあるデータ解析センターが発表したデータから、最近の省別の都市化率におおきな格差があることが分かります。ここでいう都市化率とは、地域ごとの人口に占める都市在住人口の割合のことを指しています。「都市」の定義が全国一定でも、その計測はまちまちのところが否めないことをご承知ください。
都市の定義ですが、「街道」の集合体、とするのが一般的です。街道とは、都市部(農村部以外)に設置された人口集中地区で、これを単位に「居民委員会」という日本の町内会のような組織があります。この居民委員会の会員が都市住民です。一種の自治組織のようなものですが、その地域に住む、ほぼ全員が会員になります。
しかし厳密にいうと曖昧なところがあるのです。それは、農村から都市部に出稼ぎに来て、なかば定住あるいは本格的な定住をしている農村戸籍を持つ人たち、彼らは実質的な都市住民といってもいいのですが、統計的にはカウントされません。
ということは、都市住民は表面的な数字より実際はもっと多く、したがって都市化率はもっと高い、と見ることもできます。以下の数字は、この部分がない数であることをご承知おきください。
ところで、一般に、都市化率は地域の非農業化を反映しますから、農民人口の縮小を意味します。農村から移住してくる人口がよほど大きくないかぎり、都市化率は上昇しません。
実際は、そういうことはまれですから、都市化率の上昇とは、農民人口の都市人口への社会移動が起きていることを意味しています。つまり農民の脱農民化=市民化、といわれる現象です。戸籍を農村から都市へ変更することですね。
さて、本題です。最近の全国平均の都市化率は65%程度といわれています。これを地域別に分解すると、都市化率が4つの直轄市を除く上位3位、1位江蘇省73.4%、2位浙江省77.2%、3位遼寧省72.1%。ものすごい都市化率です。
一方、都市化率が低い下位3位は、最下位チベット35.7%、下から2位雲南省50.1%、下から3位甘粛省52.2%と、大きな差があります。
さきほどの説明を当てはめると、都市化率が高い江蘇省、浙江省、遼寧省などでは農民をやめて都市住民になった人がとても多い、ということを意味しています。一方、チベット、雲南省、甘粛省などでは、そのような社会移動はとても少ない、ということになるでしょう。
ですから農民から市民になった人が多い地域では、残った農民の手に耕地が移動するはずなので一人当たり耕地面積は増え、そうでない地域ではあまり変わらないはずです。
そこで、これら地域の一人当たり耕地面積をみましょう。全国平均は5.1アールです。
都市化率の高い地域:江蘇省18.2アール、浙江省7.2アール、遼寧省43.7アール。
一方都市化率の低い地域:チベット18.9アール、雲南省22.9アール、甘粛省43.6アール。
このように、都市化率と一人当たり耕地面積との間には、かなり明瞭な逆の関係があること、すなわち都市化率が高い地域では1人当たり耕地面積が小さく、逆の場合は逆という関係があるといえます。
しかし本来は、さきほども言ったことですが、都市化率の高い地域では、よほどの面積の耕地から建設用地への地目転換でもないかぎり、一人当たり耕地面積は土地集中が進むはずですから大きくなるはずなのですが、これと逆のことが起きているのです。ただ都市化率の低い地域では一人当たり耕地面積が大きい現象がみられ、理論にかなっているといえます。
都市化率の高い地域で、1人当たり耕地面積が小さいのはなぜでしょうか?これは一時点のことですから、本来の動きを見るには、時系列的な少なくともデータの2点間変化を示すデータをつくる必要がありますので、逆のことが起きている、とは断定はできません。
断定はできませんが、なぜさきほどのようなことになっているのか、という点も検討する価値はあるでしょう。いまの段階ではそこまでしていませんが、次のことが予想はできます。
1,データが示すような都市化は、実際には起きていない。
2,都市住民になった農民の土地の移転登記が済んでいないか、その措置をしていない。
3,農業をやめて都市住民になった農民の耕地が耕作放棄地になったままである。
4,農業をやめた農民の耕地がほぼまるごと、都市用途に転換された。
ほかにも理由があるかもしれませんが、それには、どんなことが考えられるでしょうか?
中国の識者が、初めて、食糧自給率が60パーセント台であることを認めました。これは、まじめなネットサイトで、中国の経済、社会、政治、文化、海外情報など多彩な情報を発信して、読者に考えさせる狙いを持つサイトで、わたしもよく開くサイトです。
私は中国の総合的な食料自給率を、2021年のデータでは約75パーセントと見ているのですが、これを大きく下回ります。記事の65パーセントと私の75パーセントは、対象品目がちがいますし、計算方法がこまかな点ではちがうところもあると思うのですが、65ペーセントとは、正直いって驚きました。
自給率の計算対象品目を私の場合、穀物、畜産物(飼料に換算)、食用油(原材料に換算)、青果物、魚介類、砂糖製品(原材料に換算)なのですが、この人は穀物だけだと思います。もし、畜産物を加えると、さらに正確な自給率が算出されると思います。
私の計算方法は、すべての食料を年間の国産量、輸入量に、すべての品目を重量当たりエネルギー含有量に換算した後に、自給率を計算する方法です。
この計算方法では、畜産物、食用油、砂糖製品などの一次産品の製造効率を上げると、それだけで、食料自給率が上昇することが分かります。
中国の食料事情を中央政府や地方政府の統計情報、ネット情報、政府発信情報などを総合して思うことですが、穀物の国産・輸入に変化が起きていることが分かります。また、国産量が操作されている可能性を否定できません。
中国国家統計局が8月下旬に発表したところによると、2024年の早稲(ワセ)生産量は、
2023年を0.6%、163,000トン下回る28,174,000トンという。
作付面積は47,548,000ヘクタール、2023年を0.5%、217,000ヘクタール上回った。
10アール当たりの生産量は592.5キログラム、2023年を1.0%、6.16キログラム下回
ったという。
結局、全体の作付面積は増えたものの生産量は減ったということになる。このところ、中
国の早稲生産は、作付面積と単収の2つが同時に減少する動きを続けており、その結果と
して輸入が増える反作用も生まれているのだ。
作付面積の減少の理由は2つ。
一つは、このところの干ばつ、大雨による異常気象がもたらす農地被災の拡大である。つまりは、そのために作付面積が途中で減少するのである。中国の統計では、作付面積は田植え面積ではなく、実際に農産物を収穫した面積である。
早稲の主な生産地帯は南方の湖南、江西、広東、広西自治区などなのだが、最近は、田植
えが終わり、田に根が張り出すちょうどその頃に、大雨や洪水が直撃、多くの稲作農家
の首を締め上げているのだ。
二つには、米の作付自体を嫌う農家が増えていると見られること。農家の後継ぎが減り、高齢化が進み、体力と費用のかかるコメ作り農家が減っているのだ。
私はこれまで、何十年間も、中国の方々で遭った農家に「息子に農業を継がせる気があるか?」と尋ねてきた。これは、日本の全国の農家を回っていた時と同じ質問だった。しかし例外なく、中国農民の答えは「継がせない」で一致していた(日本でもほぼ同じ)。
自分の苦労を、率先して子供にも継がせたいと願う親はいない。もうだれも、意に反することを強制できる者や集団の圧力は、中国にも存在しなくなったのだ。
作付面積が減少しただけでなく、単収も減っているのだがその理由も二つ。
一つはやはり異常気象と水田土壌の劣化。異常気象は今後も続くだろうが、一層、深刻なのは、農薬と化学肥料ですっかり変わってしまった水田土壌の改良が、遅々として進まないことだ。各地の水田を歩き、必ずや田の中の土や泥を握って観てきた。
水田土壌は、極端なはなしだが、まるで植物工場の水耕栽培かスポンジ栽培かと思えるくらい殺伐としている。これでは単収は減る一方だろう。
二つには、それでもなお作付面積を多く見積もり過ぎの可能性である。実際の作付面積は、政府の見立てよりも、実際は更に少ない可能性がある。
各地で起きている現象だが、コメを作るといいながら、水田をもっとカネになる野菜栽培やビニール温室、さらには禁止されている商業用地に変える問題も起きている。農地を住宅地に変えるなどの「大棚房」として、大きな問題にもなっている。
こうなると、統計上の作付面積を実際の面積が下回り、こんなはずじゃなったということになりかねない。
世界の気象体質は明らかに変わったという。体質の変化が確かめられた、その後に確実にやってくるのは、その体質を隠すことなく表現する気象現象であろう。この気象現象は、すでに世界各地で猛威を振るい始めていることは先刻ご承知の通りである。
その影響は人間の生産活動や日常活動にも深刻なダメージをもたらし始め、やれ真夏日だ、やれ熱中症だのとテレビは騒ぎ、海の向こうでは気温が40度を超えたという一方では洪水だ、干ばつだとの、真逆の気象現象が、世界同時に起きているニュースが続く。
これが太古のむかしのことであれば、権力を持つ祭司たる役目にある支配者が臣民の先頭に立って神に向かい、起きている恐怖を抑えてくれよと乞い叫ぶことであろう、などと想像してしまう。
私は、一農業学者の立場から、中国におけるこれらの現象を農業と結びつけて長らく観察してきたが、昨今の異常気象は、異常という表現がぴったりするほどである。
言うまでもないことかも知れないが、政府の公式の農業統計は、嵐などない凪だけの海面が延々と続く大海原のごとくである。ときに起こる波もいつのまにか、左官がコテをもって壁に塗ったモルタルを均すかのように、過去に立ち戻って平にしてしまう神業をほどこす。
この方面のニュースを流す中国のネットの書き方が変わり出したのは、ここ2,3年、とくに1,2年のことのように思う。
たとえば、干ばつ。中国の農業史はウラを返せば干ばつ史の様相を呈する。長い中国史のステージから見れば最近の出来事に属する大飢饉の丁戊奇荒は、その典型的な災難の一大事であった。
日本にも起きた飢饉、たとえば天明の大飢饉では樹食や人食は日常のことであったようだが、その規模のけた違いの大きな災難がこの飢饉である。このような飢饉は、日本でも中国でも、二度と起きて欲しくはない。
中国の甘粛省の省都蘭州の真ん中を流れる黄河には、巨大な水車がいまも残る。黄河から離れ、やや沙漠気味の大地を歩くと、干上がった元河川の低い堤防跡と川底だったことを想像させるところに、水の流れに任せて自然に整ったかのように並ぶ砂利の列が見える。河川の消滅は、中国の各地で起きてきたことだ。
農業の欠点は、干ばつと洪水にからきし弱いことだ。広く起伏の激しい中国農業大地、異常気象は始まったばかり、私のその観察は今日も、明日も続きます。
ここ数年、中国を異常気象が襲うようになっている。しかも、ますます過激になっている
のだ。それを指して、ここでは暫定的に「超異常気象」と言う。まだ、「超常」といえる
ほどではないので、やや控えめな表現にとどめたつもりである。
国土を南北に分ける境界を揚子江とすると、北へ行くほど干ばつ、南へ行くほど洪水と、
両極端の気象が続いている。添付した画像は、2024年6月24日の中国国土の衛星写真だ。
やや見えにくいが、画像の下部は中国南部。厚い雲で覆われて国境線も見えにくい。上部は茶色の土が丸見えで、乾燥している様子が手に取るようにわかる。そのやや上部は東北地方の一部だが、やや雲がかかっている。しかし、この地方、今年も干ばつの恐れがあると、政府自身が伝えている。
最近の南部は洪水がつづき、桂林上流の桂林江付近では堤防をこえて氾濫し、史上最大の洪水になったという。なんと、同江の水位は一時146メートルにも達したらしい。6月20日18時時点の桂江全域で、警戒水位を超えたという(水利部、6.20)。
また、広西自治区を流れる西江でも洪水が発生、河川は警戒水位を約6メートル上回る24メートルに達したらしい(中国水利部、2024.6.21)。
広西自治区や近くの広東省は米、サトウキビ、豆類、露地野菜、果物の産地である。洪水が起きても、中国政府は農産物の被害状況を報道することはない。洪水の映像も街中の様子を放映するだけで、農産物や農村の様子を伝えることはまれにしかない。
だから、農産物の被害状況を具体的に知ることはほぼ不可能である。
一方、北部は相変わらず水不足でカラカラだ。雨は降るには降るが、人工降雨依存、満足できる状態ではない。
そこで始めた取り組みが節水品種と節水農業の普及だ。ソルガムやキビなど畜産物の飼料や一部は食用加工品にまわす雑穀だが、干ばつ耐性品種を植えると10アール当たり90立方メートルの水が節約できる。
あるところでは、冬小麦の作付けを休耕、その結果節約できた地下水をトウモロコシ、油脂作物、雑穀などの栽培に振り向け、地下水を90%節約できたという。少雨の影響は地下水の減少を招き、穀物の減反も引き起こすから深刻だ。
(衛星画像:中国気象局)
中国へ行きたい最も大きな理由は、むらむらのあぜ道や広い見晴らしの真っ平らな畑の側の道端をあるきたいがためである。
何があるわけでもないし、特別の違いがあるわけでもない。新潟のコメ作地帯の集落で生まれた身にとって、どこであっても、農村の光景は何処と無しに、故郷の香がする。
中国の農村はなお発展途上にあることも事実である。筆者の眼から、日本の農村との最大の違いは、区画整理が済んでいない田んぼがなお目立つこと、用排水路が未整備なこと、灌漑施設が不十分なためか、排水が十分でないことなどは、改善の余地があると映る。
都市近郊、たとえば河北省の都市近郊には中型のトラクターに乗った農民の姿を多く見かけるが、たとえば江西省の水田は区画整理が遅れ、しかも専業農家が限られるせいか、トラクターで作業中の農民を見かける機会も限られた。農業は日本の委託経営のようにひと任せだ。
しかし、どこの農民も、よく似た環境にあることを痛感する。素朴な顔をしていることも共通する気がする。土着的な風情が漂う。だから好きだ。
都市住民は、やはりどこの国だろうと似ている。顔は青白く、無症状で、どことなくカリカリしている風情だ。心の底に、一人ひとりがだれかの、何かの、代表のような自分を探しているからだろうか・・・・・・。
その点、何をも代表しない自分がそのまま顔に出ている素直さが農民にはある。
中国政府は昨年末から今年の初めに、2023年の食糧生産の実績をかなりこまかく発表しました。
まず発表どおりの内容をかいつまんでお知らせします。
作付面積:1億1900万5000ヘクタール
収穫量:6億9541万トン
収穫量の増加率:1.3%
1ヘクタール当たり収穫量:5.843トン(10アール当たり584.3キログラム)
収穫増加量(2022年比):888万トン
作付増加面積(同) :636,432ヘクタール
1ヘクタール当たり収穫量:13.95トン(10アール当たり1395キログラム)
これが事実であれば、なんと!!!、新しく増えた作付面積についての新しく増えた収穫量(増加土地生産性)(1395kg/10アール)は、従来の作付け面積全体の収穫量(土地生産性)(584.3kg/10アール)の2.38倍!ということになります。常識では考えられないことです。
新しく増えた作付面積についての収穫量の増え方が従来の増え方と同じとすると、収穫量の増加は888万トンではなくて、約372万トン(5.843×636,432)のはずでしょう。
もし収穫量の増加が372万トンにとどまるとしたら、2023年の収穫量の増加率は1.3%ではなく自動的に、0.55%に下がることになります。
中国の4大穀物の収穫量の前年比は、米:マイナス0.9%、小麦:マイナス0.8%、トウモロコシ:プラス4.2%、大豆:プラス2.8%でした。
収穫量が最大の穀物はトウモロコシ、近年、増え方も大きくなっています。その理由は簡単です。飼料として需要が高まるトウモロコシの収穫量を増やすことは、需要が増える畜産物の輸入を抑え、国内生産を増やすことができるからです。
米と小麦の収穫量をトウモロコシに回した、ということですね。
国家経営的な目から見ると、価格の高い畜産物の輸入を、それにくらべて価格の安いコメと小麦の輸入に代えた方が得、ということでしょう。トウモロコシの価格は?、米や小麦よりさらに安いのです。なので、中国はトウモロコシの輸入量もけっこうなものです。
ますますおいしい畜産物の消費が増えるはずですので、中国の今後は、畜産物を軸として米、小麦、トウモロコシ、大豆が作付け・貿易の調整が行われていくでしょう。というのは、もう国内には適当な農地資源がありません。農民が増えることもありません。10年先の中国農村は日本の10年前の農村を鏡で写すと分かりやすいかもしれません。