中国の輸入関税の引上げの影響が、中国で、早くも大豆と、大豆を原料とする大豆粕(主に、ブタの飼料用)の卸売価格が急騰する気配を見せ始めたようです。
上の図1は、トランプ大統領が当選した頃から、最近までの大豆価格、下の図2は
大豆粕の価格の推移を追ったものです。
二つの図の赤い星は、左から、トランプ当選、トランプが大統領就任、右端がアメリカと中国がそれぞれ145%と125%の関税を課すと表明した頃(4月初・中旬)のものです。
トランプ大統領の誕生が決まった直後、二つの物品の価格はどちらかというと穏健な動き方をしていました。むしろ、二つとも低下する気配さえありました。
12月以降、大統領就任式が近ずくにつれて、トランプ氏の対中強硬発言が勢いを増すようになってか、大豆価格も大豆粕価格も急速に上昇を始めます。
そして1月20日、ついにトランプ大統領が正式に誕生します。すると、アメリカから毎年3千万トンほどの輸入をしている大豆の価格は急速に上昇を始めたのです。
2月1日、トランプ大統領は中国に10%の追加関税を課すと表明したからです。
一方、大豆粕価格は、在庫をみながら低下を見せ始めたのです。これは、大豆柏そのものの輸入とブラジルからの大豆輸入、一部はロシアからの輸入が市場の緊張感を緩めた結果でした。
しかし、4月9日、トランプ大統領が中国に対して、145%関税を課すと、おどろきの表明をしたのでした。
それにより、中国はその二日後の11日、アメリカからの輸入品に対して125%の報復関税を課すとしてのでした。
大豆価格も大豆粕価格もこれにすぐに反応、図1,図2のように、二つは急騰を始めたのです。
世界最大の養豚国の中国は、豚肉が毎日の食卓に欠かせないほど大事な食材、今後、関税の影響は食卓を直撃することでしょう。これに関連して考えられることは、中国の豚肉輸入が増えることです。
これまで中国の豚肉輸入量は落ち着いていて、減少する傾向がみられましたが、それでも年間、100万トン以上の輸入大国であることに変わりありません。
輸入先の相手もアメリカが含まれますが、今後は、スペイン、ブラジル、デンマークやドイツ、ロシアなどからの輸入が増える可能性もありますが、そうなると、日本もあおりを受け、国際豚肉価格の上昇が家庭を襲うことにならないともかぎりません。
コメ価格の急騰で苦しむ食卓に、またまた別の圧力が加わって来るかもしれません。泣きっ面にハチ、とはこのことでしょうか?
このような世界1,2の経済大国の関税戦争は、両者にとってマイナスであるばかりでなく、世界にとってもマイナスですね。
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