2018/09/22

中国は対米反撃のため、保有するアメリカ国債を売るのか????

 米中貿易摩擦問題を打開するため予定されていた米中政府間交渉が、急きょ取りやめになったというニュースが流れた。トランプの対中第三弾となる2000億ドル規模にのぼる制裁関税引き上げが発表されたことが原因という。話し合いによる解決が望ましいことはいうまでもないが、早くとも、共和党の劣勢が伝えられる中間選挙が終わるまで、話し合いの糸口は見つかるまい。  弾の残るアメリカ、反撃の弾が底を突きそうな中国、勝負はあったと、早とちりをする動きもある。また、一方では中国には1兆3000億ドルものアメリカ国債があり、これを売ればアメリカの金利は上がり(国債価格は暴落)、国家財政は破たんするだろうから、中国の勝ちだいうのも、一種のはやとちりだ。中国も売ればいいというのではなく、買ったときの額面利回りと現在の市場金利との比較をしなければ、自分が大損をするだけだから、ことはそう単純ではないだろう。中国が持っている国債は、期間も買った時期もまちまちでバラバラ、その間、国際的な市場金利は変動を繰り返していた。    加えて、元とドル相場、傾向的に元高へ動いてきたが、それもいまは、元高のようで元安に動いたりと、単純ではないのだ。売るにしても、全部いちどきに売ることはありえないということで、いわれるような投げ売りはあり得ないというべきだ。  つまり、米中、双方ともに決定打がないのである。相互依存関係にある両国は、結局は元のさやに収まることが最善の成り行きなのだ。

2018/09/17

中国、アメリカからの輸入大豆に25%の関税の影響

 中国政府による、アメリカからの輸入大豆に25%の報復関税をかけた中国国内の影響は、いずれはコスト上昇となって、飼料メーカー、家畜業者、食用油メーカーに及び、遺伝子組み換え大豆の輸入増、国内生産の可能性に及ぶ可能性が出てきた。    すでに、飼料を海外に依存する中国の家畜コストは上昇、それはさらに拍車がかかるだろう。家畜業者の悩みは飼料と家畜の病気だ。とくに養豚業者は豚コレラ、口蹄疫などの伝染病、養鶏業者はこれから冬に向かい渡り鳥のシーズンを迎え、鳥インフルが猛威をふるう懸念がある。それには、高いクスリを準備しなくてはならない。  ただでさえコスト高に苦しめられているのに、経営費のうちでもっとも比率の高い飼料が値上がりするとなれば、経営は火の車となってもおかしくない。  遺伝子組み換え大豆は、すでに中国の食卓にのぼっている。
                        写真の食用油は、私が中国のスーパーで買ったモノ。ラベルには、原料が遺伝子組み換え菜種と大豆であることが記されている。いま、これを書いている私の机に立てかけてある。 こうした食品がさらに増える可能性もある。なお、遺伝子組み換え大豆の輸入量や消費情報は、いま、中国のネットから削除されている。    家畜業者の飼料原料の大豆はブラジルやアルゼンチン、インドなどから代替するようだが、品質や品種は変わる可能性があり、量だけ確保できればいいというものではない。もっとも、大部分は遺伝子組み換え大豆だから価格は抑えられるかもしれないが。  しかし、これを消費者に広まれば、これまであまり遺伝子組み換え作物に関心がなかった消費者間に健康不安がおそい、スーパーの棚から写真のような食油が消えるかもしれない。そして飼料にもそれが使われているということを知ったら、消費者はどう反応するだろうか?