2015/04/20

中国住宅不況の英語論文、ダウンロード数が好調です。

http://www.scirp.org/Journal/PaperInformation.aspx?PaperID=55102

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Two Main Conditions for Collapse of the Bubble Economy of China—Large Number of Unsold Houses and Deregulation of Deposit Interest Rates
 
 
 

食品汚染問題の解き方


昨今の消費者には、中国食品イコール「汚染」というイメージがある。

これは半分が実態を反映し、半分が実態と異なっている。

実態を反映している半分も、すべてが中国固有の原因というわけではない。部分的に汚染された中国原産の野菜や肉類に、部分的にしろ、すでに汚染されたさまざまな輸入加工食品、輸入調味料、輸入添加物が加えられ、中国で新しい加工食品が生まれ、汚染が濃縮され、それが海外に輸出されるという構図が出来上がりつつある。

この場合、多数の加工食材はHSコード(商品の名称及び分類についての統一システム)等で分類不可能な、そして食材として固有の名称を付けにくいものが、あたかも電子時計のモジュール部品のように細分化され、しかも多国籍化もしくは無国籍化しつつある。この実情をわたしは「食品モジュール化」ということばで表現している。

中国の場合、このような食材生産の世界のハブとして変容を遂げつつあり、この実態に着目すると、食品汚染は食材即ち食の部品化を通じて形成されていることが分かる。

あとの半分は、食品汚染は中国食品に限った現象ではないということである。食品モジュール化を通じて、日本にもアメリカにも、どの国にも、食品汚染は起こる可能性がある。また、日本の残留農薬基準、使用許可添加物、使用許可抗生物質等はけっして厳格ではないという指摘もあり、日本固有の汚染原因を作っている場合も否定できない。食品モジュール化は、これを広げる作用をする。

こうした食品をめぐる環境のもとで、中国はもちろんのこと日本の消費者もまた「食の権利」を主張する必要がある。と同時に、食品を供給する側は、その権利に応じるための義務を履行する姿勢を持つべきである。

食品をめぐる世界は大きく変容していると認識することが、日中間における「食品汚染論争」の解決の途を探る際に、とても大事なことだと思っている。