2011/12/27

中国鉄鋼業は不況に進んでいる、他

いつも中国が発表する経済指標を眺めてはいるが、最近気になることは鉄鋼生産や生鉄の生産がマイナスになってきたことだ。過剰生産である。その背景は多様だが、鉄鋼を多消費する固定資産投資、たとえばマンション、道路、工場、造船などの先行投資部門からの受注減予測があることは確実。中国には零細企業を含めると、鉄鋼メーカーが千社以上あるが合理化は遅々として進まない。おそらく、鉄鋼メーカーは改革開放以来、はじめての不況に直面する可能性が否定できない。

海外への資本逃避(キャピタル・フライト)の動きも気になるところ。2008年から毎年中国から数百億ドルにのぼる資本逃避が起きている。資本逃避とは違法取引であり、中国資本が海外に投資するFDIなど正規のルートとはまったく異なる概念。2010年は600億ドル、2009400億ドル、2008260億ドル、だんだんと増えている。手口はさまざまあり、海外取引先との合意による不正伝票作成はもっとも普通の常套手段。来年、中国経済は減速幅が拡大するので、過剰な国内資本はさらに、この手を使って海外へ流れていくはずである。

いま、私は中国の日本国債保有額の推定作業をしている。正確な額は、だれも分かっていない。中国政府が秘密にしているからだ。

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