2012/06/02

円と元の直接取引はじまる/中国の円買い

‎6月1日、円と人民元の直接取引が始まった。相場は、ドル介在水準とほぼ同じなのは当然としても、直接取引相場の登場は歴史的な意義を持つことである。私は、人民元が早急に完全な国際化を果たすべきだと思っているので、今回の出来事はその動きをさらに一歩強める働きをすると期待したい。
世界第二位の経済規模を持つ中国の人民元がはやく独り立ちすることが、円に逃げてくる国際通貨市場の動き(円への逃げ相場)を緩め、過剰な円高を抑制する働きを担うことに通ずるのである。

現在人民元は管理変動相場制という固定相場制と変動相場制の中間的な仕組みを採用しており、一日当たりの変動幅を上下3%に制限している。また、詳しくは報道されないが元売りドル買介入を頻繁に行い、元・ドル相場の安定に苦心している。
私は、円高進行の大きな要因の一つに、国際外為市場における中国政府による巨額の円買い介入が暗躍しているとみている。
今回の円と元の直接取引の開始は、この動きを容易にする仕組みの登場という一面もあることに留意すべきである。もっとも、実際の円買いをだれがどこで、行っているか闇なので、いまのままでも円買いを思いのまま進めることができる。なにせ、中国には3兆ドル以上の外貨があるのだから。

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