2024/06/24

"超異常気象が中国農業を襲う!

 

 

ここ数年、中国を異常気象が襲うようになっている。しかも、ますます過激になっている

のだ。それを指して、ここでは暫定的に「超異常気象」と言う。まだ、「超常」といえる

ほどではないので、やや控えめな表現にとどめたつもりである。

 

国土を南北に分ける境界を揚子江とすると、北へ行くほど干ばつ、南へ行くほど洪水と、

両極端の気象が続いている。添付した画像は、2024624日の中国国土の衛星写真だ。

 

やや見えにくいが、画像の下部は中国南部。厚い雲で覆われて国境線も見えにくい。上部は茶色の土が丸見えで、乾燥している様子が手に取るようにわかる。そのやや上部は東北地方の一部だが、やや雲がかかっている。しかし、この地方、今年も干ばつの恐れがあると、政府自身が伝えている。

 

最近の南部は洪水がつづき、桂林上流の桂林江付近では堤防をこえて氾濫し、史上最大の洪水になったという。なんと、同江の水位は一時146メートルにも達したらしい。62018時時点の桂江全域で、警戒水位を超えたという(水利部、6.20)。

 

また、広西自治区を流れる西江でも洪水が発生、河川は警戒水位を約6メートル上回る24メートルに達したらしい(中国水利部、2024.6.21)。

 

広西自治区や近くの広東省は米、サトウキビ、豆類、露地野菜、果物の産地である。洪水が起きても、中国政府は農産物の被害状況を報道することはない。洪水の映像も街中の様子を放映するだけで、農産物や農村の様子を伝えることはまれにしかない。

 

だから、農産物の被害状況を具体的に知ることはほぼ不可能である。

 

一方、北部は相変わらず水不足でカラカラだ。雨は降るには降るが、人工降雨依存、満足できる状態ではない。

 

そこで始めた取り組みが節水品種と節水農業の普及だ。ソルガムやキビなど畜産物の飼料や一部は食用加工品にまわす雑穀だが、干ばつ耐性品種を植えると10アール当たり90立方メートルの水が節約できる。

 

あるところでは、冬小麦の作付けを休耕、その結果節約できた地下水をトウモロコシ、油脂作物、雑穀などの栽培に振り向け、地下水を90%節約できたという。少雨の影響は地下水の減少を招き、穀物の減反も引き起こすから深刻だ。

(衛星画像:中国気象局)


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